(2012.01.24)

町おこしから映画館運営へ
シネマ ジャック&ベティ 副支配人    小林良夫さん    31歳

ワンダフルワークス42回目は、横浜市中区の横浜シネマジャック&ベティにて副支配人をされている小林良夫さんです。2011年に20周年を迎えた横浜シネマジャック&ベティ。その運営に携わることになった経緯から、今後の展望までのお話を伺ってきました。

興味から始まった映画館運営

質問
—現在されているお仕事内容を教えて下さい
小林さん
ここで働いている社員は、支配人と副支配人の私の2人です。基本的な仕事に関しては、社員二人で受付から映写に至るまで全部やっています。映画館にまつわる仕事全般になりますね。アルバイトも6〜7名ほどいます。
質問
—どうして、映画館の仕事をしようと思われたのですか?
小林さん
ここで働くようになったのは、今年の3月で5年になります。以前はサラリーマンをしていました。 この映画館は黄金町にあるわけですが、前々から町づくりの視点で黄金町に興味を持っていました。そこでサラリーマン時代に支配人の梶原らと、黄金町を盛り上げるようなWebを立ち上げました。 その活動の一環で、町おこしのイベントを黄金町で行った際に、この映画館の当時の運営会社との出会い、「ここは君たちでやったら」と言われたことが縁で、会社を作り映画館の運営を引き継いだわけです。

お客さんが来てくれる喜び

質問
—やっぱり、映画を観ることは好きですか?
小林さん
映画は観ていましたが、人並み程度でしょうか。映画好きには少々つらい仕事ともいえます。良い映画と、人が集客出来る映画は違います。逆に運営側の人間が、みんな映画マニアではなかったことが良かったのかもしれません。幅広いジャンルの映画を上映できていることが大きいと思います。 ここで上映される映画は、東京で上映されてから来るものがほとんどになります。だから、東京で上映されたときの評判を聞きながら出来ます。 横浜でミニシアター系はうちだけなので、シネコンではやっていないものを上映出来たらと思っています。
質問
—今の仕事で一番面白いところはどこでしょうか?
小林さん
お客さんが来てくれる喜びですね。映画館の運営を引き継いで、全く分からない業界に飛び込んで、町を盛り上げたい想いだったり、地元とも連携をしてきました。そういう試行錯誤が面白いのかもしれません。最初はこいつら誰だって見られていたのが、だんだんと認知されるようになりました。
質問
—他の仕事とは違うと感じるところはありますか?
小林さん
映画館の仕事は待っているだけだったら、それで済んでしまう仕事です。映画もあるし、上映時間も決まっているし、映画が始まれば、お客さんに対応する時間も空くことになります。でも逆にやればどこまでも出来る仕事なわけです。私はやればどこまでも出来るということを追求しています。例えば、2009年より、劇場のメンバーズクラブ制度を創設しました。会員になってくださった方には、最新の上映スケジュールや劇場スタッフが映画紹介やコラムを書いている「瓦版」を郵送するなどしています。おかげさまで会員数も現在では1200人を越えました。

昨年20周年を迎えた映画館

質問
—気分転換などはどうされているんですか?
小林さん
休日は週に一日くらいです。仕事もようやく軌道に乗ってきました。仕事はずっとプライベートもオンもオフもないような状況だったので、気分転換の方法はこれから探していきたいと思っています。
質問
—仕事をしている中で印象に残っている出来事があれば、教えてください。
小林さん
2011年12月21日に行われた映画館のオープンから20周年を記念するパーティーでは、映画館の関係者やお客さんを呼びました。そこで改めて、この映画館は常連の方に支えてもらっていると実感することが出来ました。常連のお客さんは三日に一回や、毎日来てくれる方もいます。 その日は夜まで年配の方々も来ていただいて、改めて集まっていただいた光景を眺めると、「こんなにもいたんだ」と感慨深くなり、5年間やってきた実感がわきました。
質問
—これは見てほしいという映画を教えて下さい。
小林さん
2月4日(土)より<ゴダール映画祭 in 横浜>として、ゴダールの作品を8作品上映します。ジャック&ベティは、“横浜最後の名画座”でもあり、過去の名作の特集上映を行うことがありますが、今回の<ゴダール映画祭>はその真骨頂といえるかもしれません。映画館でフィルムで観られる機会は本当に珍しいので、ぜひ多くの方に足を運んでいただきたいです。

お客さんに近い映画館でありたい

質問
—仕事で普段から意識していることを教えて下さい。
小林さん
映画館で映写をやっていると、憧れを持たれることがあります。私としては、文化だったり、芸術みたいなところで、極力甘えないようにしています。映画に関してはこだわりのラインナップの映画館と言えど、間口は広くありたいといつも思っています。もともと地域を盛り上げていきたいと言うところから始まったものなので、なるべく地域にいろんな意味で還元していきたいと思っています。
質問
—今後の目標を教えて下さい
小林さん
今後も映画館はしばらく続いていくと思います。でも今、若い人が映画を見なくなっている気がしています。若い人には、より映画館に足を運んでもらって、映画館の持つ意味を実感してもらいたいです。 映画館側とお客さんが近しい存在であってほしいと思っています。
質問
—小林さんにとって、仕事とは何ですか?
小林さん
自分が楽しむためのものです。面倒くさいと感じる仕事は、面倒くさいと思わなくなるまで突っ込んで考えればいいんです。仕事がつまらないと、自分で言ったら終わりなんです。
質問
—ありがとうございました