(2009.11.04)

職場に貢献できることがやりがい
劇場スタッフ    並河咲耶さん    24歳

 ワンダフルワークス第5回目のゲストは、横浜で22年間続いている老舗の劇場「STスポット横浜」で働く並河咲耶さん。STスポット横浜は、横浜駅西口から徒歩8分、「ハローワークプラザよこはま」や「かながわ若者就職支援センター」など就労支援施設が数多く入っているSTビルの地下にあります。並河さんは、高校、大学をアメリカに留学して過ごし、帰国後に取り組んだインターンがきっかけでこの仕事に就きました。留学で苦労した経験が、並河さんが仕事をする上でのコミュニケーション能力にもつながっていました。

まず自分にできることを見つけてすすめていく

質問
―この仕事に就いたきっかけを教えて下さい。
並河さん
高校、大学をアメリカ留学して帰国した後、桜木町にある「急な坂スタジオ」でインターンを始めました。大学では音楽を勉強していたので、ダンスやコンテンポラリーアートにも興味を持っていて、スタジオのインターン募集を見ておもしろそうだなと思ったんです。そこで今の館長と出会い、急な坂スタジオの系列でもある「STスポット横浜」でアルバイトとして働くことを誘われて、この仕事に就きました。
質問
―最初はアルバイトとして働き始めたんですね。
並河さん
はい。アルバイトとして約8ヶ月働いて、今年の5月から社員になりました。
質問
―劇場の仕事というのはどのようなことをやるんですか?
並河さん
演劇やダンス公演などの企画や広報活動、劇場の管理運営です。平日は劇場を利用される方も少ないので、公演などで週末が忙しくなることが多いです。
質問
―社員になって、アルバイトとの違いをどのように感じますか?
並河さん
アルバイトの時は、まだどこか部外者という感覚があって気楽でしたが、社員になってからは、自分のできることは何だろうと考えて葛藤するようになりました。職場環境はアルバイトの時と変わらないので、アルバイトと社員の仕事の違いをつかめず、これまでと同じでいいんだろうかと悩みました。
質問
―今はその葛藤を乗り越えられましたか?
並河さん
まだ少しずつ自分にできることを探している段階ですが、館長や先輩がそれぞれやっていることがあるので、じゃあ自分は周りがやっていないことをやれるように、自分のできるところからやっていこうと思うようになりました。メールニュースを配信したり広報活動をしたり、まず自分にできることを見つけてすすめています。

できないこと、わからないことをしっかり伝える

質問
―高校、大学合わせて7年間アメリカに留学されて、海外で学んだことで印象的なことはどういうことですか?
並河さん
留学した当初は言葉も全くわからず、できないことばかりですごく苦労しました。でも、わからないことやできないことが多すぎたので、逆にきちんとそのことを周りに伝えられるようになったと思います。
質問
―留学と聞くと華々しいイメージもありますが、何もわからない環境で1人で生活するのは想像以上に大変なことと思います。
並河さん
高校、大学の青春時代を海外で過ごすことで、自分が結局どこに属しているかというアイデンティティが揺らいでしまうこともあると思います。でも、そういう環境で生活したことで、多少のことでは動じなくなりましたし、大変なことも何とかなると思えるようになりました。
質問
―現在仕事をする上で心がけていることはどのようなことですか?
並河さん
できないこと、わからないことをしっかり周りに伝えるようにすることです。わからないことはわからないと言わないと、それが大きな失敗につながってしまうかもしれません。自分ができないことも、無理をして抱えるのではなく、それを周りの方に嫌な思いをさせずにしっかり伝えることが大切だと思います。
質問
―留学で学んだことが仕事にも活きているんですね。
並河さん
そうですね。留学中はわからないことだらけだったので、自分のできることからしっかりやっていこうという意識につながっていると思います。

すべて完璧にこなそうとするのでなく、大体でいいと思うことも大切

質問
―仕事をしていてうれしいと感じるのはどのような時ですか?
並河さん
館長や周りのスタッフがうれしそうな顔をする時です。今の仕事ができているのも、インターンをしていた時に館長と出会えたことがきっかけだったので、館長や周りのスタッフに貢献できた時はよかったなと感じます。
質問
―仕事で苦手に感じることはありますか?
並河さん
あまり輪の中に入って熱くなれないのが欠点なんです。一歩引いて見てしまうというか、どんちゃん騒ぎするのがあまり得意ではないところです。
質問
―仕事をする上でのこれからの目標を教えて下さい。
並河さん
生の舞台を見られる機会が減ってきているので、劇や舞台がもっと日常的に見てもらえるように、社会とアートをつなげていけたらと思います。大学の先生からも教わったことですが、1つ1つの音符はつながっているので、小さいことの積み重ねを続けていくことが仕事をする上でも大切だと感じます。あと、個人的には仙人になりたいと思っていて。
質問
―えっ、仙人ですか・・・?
並河さん
はい(笑)。仙人のように、ちょっとやそっとのことで動じず、バタバタしないようになりたいです。いろいろ説明がなくても、仕事をする上でその人がいればいい、その人がいれば大丈夫という風になれたらなと思います。
質問
―なるほど。それだけ存在感や頼りがいのある人ということですね。では最後に、この記事を見ている若者に向けてメッセージをお願いします。
並河さん
仕事を何でも完璧にやらなければと意気込んでしまうこともあると思いますが、決してすべて完璧にこなそうとするのでなく、大体でいいと思うことも大切だと思います。怒られるのが恐かったりして否定的な感覚にもなりがちかもしれませんが、大体でもだいじょうぶ。適当に仕事をやるのはよくないですが、無理をせず、気持ちを込めて取り組んでいけばうまくいくと思います。
質問
―ありがとうございました。

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