「ヨコハマユースフォーラム」第2部では、若者支援に関わるさまざまな環境の方々が集まり、若者と働くことの結び付きについて話し合われました。
株式会社シェアするココロ・当サイト編集長の石井正宏を司会に、コメンテーターに東京大学大学院教育学研究科教授の本田由紀さん、パネラーによこはま若者サポートステーションの鈴木晶子さん、よこはま型若者自立塾の岩本真実さん、岩崎学園の植田威さんが出演。
現場で感じる支援の現況や、学校と連携したプログラム、新しい中間的な働き方の可能性などについて話し合われたパネルディスカッションの模様をレポートします。
パネルディスカッションではまず、学校における職業教育の課題や、卒業後の支援の必要性について意見交換がされました。
石井「本田先生の著書『教育の職業的意義』にもあるように、現在は学校から卒業する若者たちのリスクが高くなっています。どこまで成熟させてから学校から送り出せるのかが重要と思いますが、職業にむすびつくにはどのような教育プログラムが必要だと感じますか?」
植田「岩崎学園は職業人としての訓練を行う専門学校ですが、今は専門学校に来る以前に、若者たちの中で就労感が薄れていることを感じます。そこで、小中学生に対しては、夏休みの間にチャレンジスクールを実施して、専門学校内で自動車整備や美容室などの職場体験ができるようにしています。また、その逆として専門学校生が小中学校に行って作業をするような連携がもっとあってもいいと思います」
石井「学校の中で教育しきれないことを、専門学校がフォローするような取り組みですね」
植田「そうですね。ただ、小学校でやらなかったことが中学校、中学校でやらなかったことが高校というように、課題を先送りにしてしまっていることは問題だと思います」
岩崎学園は、IT、ファッション、デザイン、リハビリテーション医療、保育の専門学校教育を中心に、幼稚園や大学院などの幅広い教育事業を展開している学校。よこはまユースニューデールの協力機関として、インターンシップの受け入れにも積極的に取り組んでいます。
石井「そういった意味で岩本さんは、定時制高校にサポートとして入り、学校の中で教えきれないことをフォローされていますよね」
岩本「はい、私たちは戸塚高校の定時制に毎週通い、先生たちといっしょに生徒のサポートをしています。戸塚高校定時制では現在、たくさんの生徒さんが複数の課題を抱えていて、今の先生たちの体制だけではひとりひとりまでサポートする余力がありません。先生たちは生徒のサポートのために企業や区役所などいろいろな機関に足を運んでいますが、多様な生徒ひとりひとりの問題に向き合うことにとても時間がかかりますし、それが追いつかない状態になっているんです」
石井「就職状況も厳しくなる中、学校では先生たちの負担も大きくなっているんですね」
岩本「そうですね。それを先生だけ学校だけに任せるのでなく、NPOや地域でいろいろな方がいっしょに連携して生徒を送り出していかないといけないと思います。卒業したけれど社会に放り出されてしまっている生徒をどこかにつなげたいという思いで、もっと学校にいる間に職業的スキルや、生きていくためのスキルを身につけてから卒業させてあげたいと思っています」
よこはま型若者自立塾を実施しているNPO法人ヒューマンフェローシップは、20年前から若者支援に取り組んでいるK2インターナショナルグループの団体。学童支援から若者支援まで段階的な支援を行い、戸塚高校定時制での取り組みは、とても厳しい状況にある教育現場との議論の積み重ねの末に実現しています。
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本田「現在は、学校教育全般が生活に有効的なスキルを教えることが希薄で、仕事で求められる能力が上がってきていることとの間にギャップがあると思います。もう少し専門的な職業的内容を組み込んだ教育にしていけないかと感じますが、支援の現場ではもっとこうなってくれたらいいなと感じることはありますか?」
岩本「生徒たちはみんないろいろな問題を抱えていて、みんなそれぞれ個性が違います。全員に同じ教育をしても合わないために、そこで先生も疲れていってしまう。卒業後に進学をしない生徒に対しては、職業的スキルを勉強するような時間を学校でもてるようにしたり、仕組みを変えていくことも必要だと思います」
石井「鈴木さんは、サポートステーションの来所者の学歴など、学校と関連する点でどのような問題を感じますか?」
鈴木「よこはま若者サポートステーションに来所する若者の3割が大卒ですが、それでも実際は通信制であったり、卒業はしているけれど生活していくスキルが不足していたりします。ちょっとしたアルバイトはしたことがあっても、経済的に自立していくために求められる能力が確かに今は高くなっているので、在学中にできることを、学校や家庭、あるいは地域やNPOがどう支援していくかが大事だと思います」
よこはま若者サポートステーションは、全国に現在92カ所設置されている地域若者サポートステーションの1つ。職業相談やキャリアカウンセリング、ジョブトレーニングなど、さまざまな就労支援メニューを提供することで、若者の職業的自立を支援しています。
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石井「支援者や行政の危機感からも、学校に目を向けることが強まってきています。サポートステーションなどの支援施設では18〜23歳くらいの利用者がとても少なくて、学校を卒業して数年経ってからようやく支援団体とつながることが多いのも現状です。学校と働くことの溝が広がっていて。ここに橋をかけることがとても大事だと思います」
岩本「そうですね。アルバイトが就職につながらない現状があることも大きいと思います。子育て支援から若者支援までは全部つながっていることなので、より早期に子どもたちに会うことも大事だと思います。学校卒業後にいきなり社会に放り出されるのでなく、いろいろな中間的な場所や、段階的な支援が必要だと思います」
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