横浜市では、引きこもりなど働くことに困難を抱える若者たちの中間的な働き方として、「在宅ワーク」の可能性について検討しています。自宅で作業ができることから、なかなか働けずにいる若者にとって効果的な就労体験になるのではないかと、若者支援施設のスタッフや、仕事を発注する側である企業、当事者の若者たちと実際に意見交換を行ってきました。
その様子は、当サイトのアフターアワーズ「在宅ワークについて語り合う」の中で、全9話の特集として紹介しています。
そして、今回若者の就労支援のプログラムとして、在宅ワークに関する講座が実際に開催されました。
今回、8月から9月にかけてよこはま若者サポートステーションが主催したプログラム「事務トレーニング」の中で、在宅ワーク講座は行われました。この事業は、マイクロソフト株式会社の「ITを活用した若者就労支援プロジェクト」と、横浜市の「ITを活用した中間的就労に向けた仕組みづくり事業」のタイアップ企画として実施されました。
在宅ワーク講座の講師を務めたのは、「在宅ワークについて語り合う」にも登場している株式会社うるるの星さん。同社では、在宅ワーカーと企業とのマッチングサイト「Shufti(シュフティ)」や、在宅ワーカーの育成サイト「在宅ワークアカデミー」などの運営を通じて、在宅ワークの周知と導入を支援しています。
講座当日は「Shufti」を参考にしながら、在宅ワークに関する基礎知識や心構えに加えて、見積もり→受注→作業→納品→請求という、仕事の受発注における一連の流れを学びました。
在宅ワークとは、会社と雇用関係がなく、パソコンやインターネットなどを使って自宅で働くことをいいます。企業で雇用されて働くのとは違い、収入を得る上で、業務開拓、就業管理、スキルアップ・ビジネス知識、確定申告、各種保険などを自分でやる必要があります。
仕事を行うためには、エクセル、ワード、メール、インターネットの4つを使うことになるため、これらのビジネスソフトを最低限理解しておくことも必要です。
また、在宅ワークを始める際に心がけることとして星さんは「在宅ワークによる収入は、Shuftiの登録者で平均2〜3万円、多くても5〜6万円から10万円ほどになりますので、あくまでも補完的な収入という位置づけです。働き方としては個人事業主になるので、税金や保険の知識も必要なほか、個人情報のデータを扱う場合もあるので、納品の際など個人情報の扱い方の知識も必要になってきます」と話します。
実際に在宅ワークで仕事を始めるには、まず在宅ワークの仕事紹介サイトなどに登録し、仕事を受注することになります。「Shufti」に登録されている仕事案件の8割は、名刺や領収書などのデータ入力。そのほかはECサイトの登録、商品紹介サイトの口コミ作業などがあります。
企業がサイトに登録している案件に対して見積もりを送り、複数の応募者の中から選ばれることで仕事を受注することができますが、実際に受注をするためには、見積もり価格や能力値などが企業の判断材料になります。
「Shufti」では、登録時に実施する能力検定の成績がプロフィールに表示されるため、企業側はその能力値を見て仕事を依頼するかどうか判断する部分が大きくなります。しかし、決して能力値が高いからといって仕事が受注できるわけではなく、見積もり書に添えるメッセージの書き方など、ていねいな応対や誠意を表現することによって補える部分もあるそうです。
企業が実際にどういうところを見て判断するのか、星さんは以下のように説明します。
「まず見積もり価格を見ますが、いくら価格が安く出されていても、単価などくわしい説明が足りないと企業は不安になります。そこから能力点を見ていき、たとえ能力が低くても、過去に担当した案件の評価が良ければ安心材料になります。
また、優秀な見積書には共通点があります。『この度はよろしくお願いします』や『お世話になります』などの挨拶が最初にきちんと入っているとホッとしますし、これはビジネスにおいて当たり前のことです。文章を適度に改行して見やすくしていれば印象も良いですし、登録条件に納期などが書いてあったとしても、そういった情報も改めて見積書に書く事で、ちゃんと内容を理解しているというアピールになります。
何より企業が一番求めるのは、安心感です。重要なデータを扱うので、この人はきちんと納品してくれるかどうか、機密情報を漏洩しないかどうか気にしているので、安心感を高めると受注率は高くなります。
では、どこを意識ですればいいのか。気を付けなければいけないのは、企業との接点です。メールなど企業と接する部分に気をつけて、とにかく安心感を与えられるように心がけることが大事になってきます」(星さん)
そして、実際に仕事が受注できたあとも、納品から請求にいたるまで企業とのていねいな連絡を心がけることが重要になると星さんは言います。
「データ入力の仕事では、個人情報を含むデータを扱うことも多いため、納品データをそのままメール添付で送ってしまうと、セキュリティに不安が生じます。データは圧縮して、必ずパスワードをかけてください。そして、最初にデータをメールした後に、パスワードは次のメールに書いて送ります。請求書も、振込先の口座情報、いつまでに入金してくださいということを明記して連絡しましょう」(星さん)
以上のように、在宅ワークで仕事を受注するためには、常に企業とのやり取りに気をつけることがとても大事になってくるようです。それでも、ほとんどのやり取りがメールで行われるため、ビジネスメールをしっかり書けるようにしておくことで、コミュニケーション力を補えることができるのだと思います。
星さんは「在宅ワークではメールでやりとりすることが多いので、人と話すのが苦手な方にとってチャンスな働き方だと思います。きちっと伝わる文章で、失礼のない表現、マナーを守って連絡を心がければ補える部分もたくさんあります」と話します。
実際に仕事を受注できるかどうかだけでなく、こうしたメールのやり取りや見積書の作成に取り組むこと自体も、就業体験の少ない若者にとって貴重な経験になるように思います。自宅にいながらビジネススキルを身に付けるきっかけとして、在宅ワークにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
>>在宅ワーク(データ入力)学習サイト|在宅ワークアカデミー
>>データ入力等の在宅ワーカー・マッチングサイト|Shufti
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