2011年12月10日(土)学術総合センター(東京都千代田区)にて、内閣府主催(横浜市等共催)による「生きづらさを抱える子ども・若者によりそう」と題されたシンポジウムが開催された。
このシンポジウムは3部構成で行われた。第1部では若者支援に関わっている埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県などで活動する団体の紹介。
第2部は、子どもの貧困問題について考えるパネルディスカッション。最後に、ひきこもりについて考える鼎談が行われた。
まず第1部は、若者支援に関わる21の団体が、約5分間の持ち時間を使って、日々の活動を紹介した。その中で神奈川、横浜に関わりのある団体は7団体。NPO法人子どもと生活文化協会、NPO法人アンガージュマン・よこすか、NPO法人湘南市民メディアネットワーク、K2インターナショナルグループ、NPO法人月一の会、NPO法人ワーカーズわくわく、NPO法人フリースペースたまりばが登壇した。
各団体の発表方法は、パワーポイントを使ったもの、口頭のみのもの、発表の仕方は様々なものであったが、NPO法人湘南市民メディアネットワークは、5分間のVTRを作成し発表するなど、特色のある発表も見受けられた。
第2部は、宮本みち子さん(放送大学教授)、門田光司さん(福岡県立大学教授)、日置真世さん(NPO法人地域生活支援ネットワークサロン理事)、渡井さゆりさん(NPO法人日向ぼっこ理事長)の4名が登壇した。
パネルディスカッションが始まるにあたり、まずそれぞれのパネリストの方より、子どもの貧困問題について考える観点でプレゼンテーションがあった。スクールソーシャルワーカーの役割についての視点、当事者としての視点など各々のプレゼンテーションが行われた。その後、宮本さんの進行で意見が交わされた。
ケアに当たる側からの視点、また当事者側からの視点で語られることで、貧困の問題の現状、特にソーシャルワーカーの限界、また若者を支援するための生活の場を支援していかなければいけない話が話題としてあがった。当事者側の視点としては、渡井さん自身の過去の経験から、いかに予防的な体制が作られるかが重要だという点が語られた。
貧困の深化を防ぐ上で、問題自体を家庭に依存するものと捉えるのではなく、社会で子どもを育てていけるような環境づくりが必要なことではないのか。といった意見が出るなど、家庭の問題ではなく、社会の問題として子どもの貧困について真剣に考えていかなければならない。という危機感を、ディスカッションを通して感じることが出来た。
第3部はひきこもりについて語る鼎談。竹中哲夫さん(日本福祉大学名誉教授)、長谷川俊雄さん(白樺学園大学教授)、有吉晶子さん(NPO法人ユースポート横濱理事)の3名で行われた。
先立って、登壇者3名がそれぞれプレゼンテーションを行い、鼎談が始まった。
竹中さんはライフステージから見たひきこもり支援について、有吉さんは、よこはま若者サポートステーションの事業説明を中心にして、一人一人に合わせたゴール設定をする大切さを語り、長谷川さんは、ひきこもり支援をめぐる多様性について、現状の課題を中心に話を展開した。
鼎談でテーマの中心になったものは、ひきこもり支援の居場所の在りかただった。印象的だったことは、親と子における切ない関係性、つまり時として、親の善かれは、子どもの迷惑につながるということであったり、時間の経過とともにすれ違いが起こってきてしまうということだった。
またユースポート横濱には、神奈川県一円、東京都内からも来所があるということで、地域に居場所や必要なリソースがないケースも多いという課題の実例が語られた。
ひきこもり支援の話の中で、とても興味を覚えた話は、鬱経験者とひきこもりの人とをやり取りさせている。というものだった。発想が大胆というか、当事者だからこそ通じるものがあって出来るような事例なのだと感じた。
シンポジウム閉会前に行われた質疑応答では、実際に身近な人がひきこもっているケースであったり、過去にひきこもり経験があり、現在は支援者に回っている方などと登壇者とのやり取りがあった。
シンポジウム全体を通して伝わってきたのは、危機感に近いものだった。支援する側もされる側もどこに行けばいいのか分からなかったり、リソース不足であったりする中で、どのような対策を立てるべきなのか、そういったことが浮き彫りになった。しかし浮き彫りになったからといって、それだけでは解決にはならず、今後今回出てきた課題をどのように解決していくかが、支援する側の立場へ求められていくだろう。
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